本プロジェクトに関わる資料について
イタリアでボローニャ大学が誕生した頃、職能を高めるために学問を修めようと各地から学生が集まり、その学生集団によって形成された学生組合が教授を雇っていたように、ヨーロッパの高等教育における職能育成・専門家育成の発想には、学生自らが学ぶ場を拓くという考え方がありました。
学生は卒業後、自分の地域に戻って学問や産業の発展に貢献したことでしょう。
本プロジェクトは、そのようなヨーロッパの地域振興に関わる教育政策のアプローチを手掛かりとしながら、進めています。
近年では、とくにフランスの地域振興に関わる教育政策のアプローチを参考にしています。
公開している資料の中には、代表がフランスの資料を翻訳したものも含まれます。ご自由にダウンロードしてご参照ください。
▼ 現在公開されている資料
| 2018/06/04 22:35 | 【6月版】仏・マクロン大統領による修業学習政策に関する資料 | 
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フランスのマクロン大統領による教育×労働政策の一つである「修業学習」に関する資料の6月翻訳版を公開しました。
>> 公開ページは こちら です
これは、「失業対策」ではなく、1960年代から意識されている
   社会階級で固定化されている教育システムの階級性への取り組みである
と、西之園は語っています。
 我が国でも,大学教育段階での階級の再生産性が指摘されていますので,ご関心の有る方は、ご自由にご参照ください。
| 2018/02/16 13:17 | 「解釈的学びと経験の構築」の公開 | 
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Zeitler Andre氏による、「解釈的学びと経験の構築」を、代表の西之園が翻訳しました。その文書が京都教育大学のレポジトリに掲載されました。
>> 論文はこちらからダウンロードできます。
http://hdl.handle.net/20.500.12176/8678
解釈学の概念は、経験から学ぶ人たちのための、組織的な学習活動をデザインする上で有効ではないか、ということでZeitler氏の文書が訳されることになりました。
ところで、「経験」とは何でしょうか。
Zeitler氏によれば、単純に繰り返しているだけの行為は「経験」にならないとのことです。
要約:行為する時に、実行している行為に対してその状況を決定する「解釈習慣」をもつことによって、われわれは環境に1つの方向を与えている。この解釈的活動は翻ってわれわれの習慣を変換する。この習慣を変革するプロセスを、われわれは「解釈的学び」と呼ぶが、「構築している」経験の構築に役立っている。この論文では、新しい解釈習慣が発達するにしたがって経験の構築に役立っていることに焦点をあてた展望を紹介している。
| 2018/01/24 11:14 | 仏・マクロン大統領による修業教育政策に関する資料 | 
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フランスのマクロン大統領による教育×労働政策の一つである「修業教育」に関する資料を、整理いたしました。
>> 公開ページは こちら です
弊所の代表は、高等教育の普遍化に目途がついているフランスの具体的な事例を紹介するのが適当ではないかと、昨年暮れから「マクロンによる修業教育」の主要なページを訳しました。
この情報は、内容が随時更新されていて、とくにマクロン大統領をヘッドに頂いているので、公的な情報発信とみられます。
今後継続的に更新する可能性があります。
ご関心の有る方は、ご自由にご参照ください。
| 2017/11/29 12:23 | フランス「修業教育」の紹介 | 
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代表が日本教育実践学会(2017/11/25@佛教大学)で講演したスライドを公開します。
フランス大統領マクロン氏が2016年当時に経済大臣であったときに、(Apprentissage)の重要性を強調しました。
それは、フランス社会で経済的社会的文化的に恵まれた人々が進学する大学や高等専門学校(グランゼコール)のルートではなく、職人仕事などの労働者階層の人々が学習しやすいルートを提供して、従来の徒弟制度を改革することを目指したものです。
従来の徒弟制度は中等教育レベルの訓練でしたが、現在進行している修業教育は高等教育レベルであり、理論と実践とを循環する学習を実現するもので、授業料が無償であるだけでなく、さまざまな優遇策が講じられています。
企業での修業教育の採用率はつぎのようで、小規模企業に有利に機能しています。
250人以上の従業員  17.2%
50-250人の従業員       8.9%
10-50人の従業員   18.6%
0-9人の従業員    55.4%
フランス全土の(給与付き)見習い募集中の企業と、就業・修業希望者とのマッチングサイトもつくられました。
▼マッチングサイト
https://www.lapprenti.com/
地域振興と就業率向上をかけあわせたしくみとして、一種のモデルとなりそうです。
★ 公開スライド資料(PDF)は こちら です。
| 2017/09/08 16:31 | 地域活性学会での発表スライドを公開します | 
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西之園代表が
地域活性学会(2017年9月1日−3日@島根県立大学浜田キャンパス)で
発表した際のスライドを公開いたします。
「地域振興とうみ(海・湖)のスポーツ・レジャーWSLの協働職業技術教育モデルの開発(構想)」
▼ スライド(pdf)
RegionalDevelopmentAndVitalization2017.pdf(リンク切れ)
▼ 学会ホームページ
https://www.chiiki-kassei.com/img/ds/taikai/170315_web.pdf 
本研究の目的は、
ILO(国際滝道機関)やUNESCO(国際連合教育科学文化機関)
が提唱している職業技術教育の方法としての
三者社会的対話(tripartite social dialogue)
の枠組みを参考にしながら、日本の各地域に適用できる方法を開発することです。
| 2017/08/01 14:54 | 地域活性学会に参加します | 
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本プロジェクトは、
9月1日〜3日に島根大学浜田キャンパスで開催される
地域活性学会 第9回研究大会 に参加する予定です。
https://www.chiiki-kassei.com/img/ds/taikai/170315_web.pdf
発表タイトルは
「地域振興とうみ(海・湖)のスポーツ・レジャーWSLの協働職業技術教育モデルの開発(構想)」
です。
本研究の目的は、
ILO(国際滝道機関)やUNESCO(国際連合教育科学文化機関)
が提唱している職業技術教育の方法としての
  三者社会的対話(tripartite social dialogue)
の枠組みを参考にしながら、日本の各地域に適用できる方法を開発することです。
| 2017/06/08 16:04 | コンペ「スポーツ庁長官にアイデアを披露しよう!」に応募します | 
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ILDの新プロジェクト「地域振興と水上スポーツ」は、
日本スポーツ産業学会主催のコンペ
に参加する予定です。
現在は、そのための発表内容を作成しているところです。
さまざまな方々のお力をお借りしながらコンペに応募したいと考えております。
ご協力よろしくお願いいたします!
| 2017/04/19 11:43 | プロジェクトのご紹介 | 
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このページのタイトルである「地域振興と水上スポーツプロジェクト」とはどのようなプロジェクトなのかをご紹介したいと思います。
このプロジェクトの目的
1)日本海側地域の現状
宮津市でのフィールワークを通して、こんな少年と出会いました。
「自然に囲まれた生活がしたい」
少年の思いを汲み、家族はどうしたか。
大阪からの引っ越しを決意。
移住先を海岸沿いの小さな漁村にしました。
「海の生活ができるなんて夢みたい」
いま少年は転校先の全校生徒30人程度の小学校で日々伸び伸びと学んでいます。
少年の夢は叶いましたが、この先はどうなるのか…。
家族は、地元のみなさんの紹介で仕事を得ることができました。
ただ、安定した収入を得られているかどうかというと?です。
漁師になればいい…そうでしょうか。
漁業も厳しい決まり、専門的な知識やスキルを獲得するために修行が必要となります。
もう一人の男性を紹介します。
京都市内から宮津に引っ越してきた男性です。
サーフィンが趣味で海に囲まれた生活に憧れていました。
そこで、男性は、生活の糧として、
京都府が進める「海の民学舎」(漁業従事者育成事業)に応募し
2年間学び、独立に向けた準備を進めています。
男性が言います。
「漁師は当たるときも儲かる、けど、そうでないときは収入がない」
リスクを緩和するために
主たる漁師の仕事の時間外で副業でなにか収入を得ることを考えておられました。
2)日本シティサップ協会(大阪)での取り組み
大阪の地理に詳しい方、
大川〜堂島川、土佐堀川〜安治川〜木津川〜道頓堀川〜東横堀川を
サーフボードとパドルでお散歩(冒険?)できる活動をご存知でしょうか。
日本のなかでも「おもろいこと」にめがない大阪だからできたこと…ではないのです。
スタンドアップパドル(Stand Up Paddle/通称SUP:サップ)に乗って水上から街の景色を眺め、
街の善さを再発見するアクティビティが世界的に流行しています(大阪の人たちはお笑いだけでなく流行にも敏感)。
日本シティサップ協会は、これらを「水上さんぽ」とネーミングし、
いま京阪北浜駅すぐの川の駅はちけんやを拠点に活動をされています。
全国からSUPを活用したまちおこし、地域おこしがしたいと視察が絶えません。
協会のホームページ
http://www.citysup.jp/
お話をするなかで、「水上さんぽ」を全国的な取り組みするためのレベルに応じたコースづくり、
資格の認証、いつでもどこでも使用できる指導用の動画の作成に着手したいけど、人手が足りない
といった課題をもたれていました。
3)びわこ成蹊スポーツ大学での取り組み
大津市の湖西側に所在するびわこ成蹊スポーツ大学では、
琵琶湖、比良山といった豊かな自然環境を生かした「野外スポーツコース」では、
春夏秋冬を通した野外スポーツの専門家の育成を進めています。
びわこ成蹊スポーツ大学ホームページ
http://biwako-seikei.jp/
どれも魅力的なプログラムとなっています。
課題としては、卒業生の進路という返答がありました。
スポーツジムやスポーツ用品などのスタッフといったように進路が限られており、せっかく野外スポーツの知識・スキルを学んだにも関わらず、十分にその善さを生かしきれていない場合も少なくないということでした。
4)海、川、湖の地域を活性化する一助となるジョブクリエーション
これまで3つの地域の水際で生活する方々の紹介をしてきました。
背景や現状も異なりますが、共通項として
水上でのスポーツあるいはレジャーあるいは水上からの
地域おこしの取り組みに対して
そのインストラクターとしての役割を仕事として
確立することで雇用を生み出し地域の活性化にちょっとだけ
結び付けられるのではないかと考えています。
インストラクターの役割としては、
各地域で水上から街の魅力を発見できるコースづくり、
コースのガイド、初心者への実技指導など考えています。
コースに参加した参加者からの参加費、
地域の飲食店や地域産業の魅力を参加者に伝えることで
企業から資金を得るなどビジネスモデルを描くことと、
利害関係者間の調整も今後の課題です。
関係して、海洋教育の充実が、
次期学習指導要領に記載される可能性もあるようです。
現在、日本財団、
東京大学海洋アライアンス海洋教育促進研究センター、
笹川平和財団が海洋教育の実態調査を踏まえ、
アクティブラーニング型の海洋教育を提案しています。
https://www.spf.org/pioneerschool/useful/
本取組においても部分的にでも、
地域での学び場や学習コミュニティづくりにとどまらず、
各学校段階でも活用できる
プログラムが開発できればとも考えています。
プロジェクトの現状:
現在、これらの活動について
株式会社ワークアカデミーにご理解ご支援をいただき
ILD(学習開発研究所)とワークアカデミーが協力して企画を練っています。
現段階のイメージ図を添付いたします。
▼ 上記イメージファイルのPDF
今年度はインストラクター育成用の学習材づくりとコースの設計を進めようと検討しております。
ただ、こういった活動は、数名では限界がございます。
このメルマガを読んでいただいた方のなかで、
どこか一部分でも共感いただき、こういうことなら協力できるよと
気軽にお声をあげていただければ幸いです。
会員のみなさまにご協力いただきたいこと:
唐突な、しかも、具体性にかけるご紹介となってしまい申し訳ございません。
たとえば、次の項目に該当する場合は
堀出(horide@ks-pl.org)までご連絡ください。
・よくわからないけど面白そうだから関わりたい
・水上スポーツに興味がある、SUPしてみたい
・地域づくりに興味がある
・動画教材づくりに興味がある
・学術的な研究領域として開拓してみたい(日本スポーツ産業学会、地域活性学会など)
・SUPインストラクター育成プログラムの開発に興味がある
・プログラムの設計
・資格の認証
・遠隔地(大阪、宮津・京丹後、大津)の
 学習グループがオンライン・オフラインで交流できる仕掛けなど
・動画をもちいた学習材の開発に興味がある
・SUPを操作しているときの水上(水中)での撮影協力(機材も含む)
・SUPの操作を動画上で説明してくれるアバターの作成など
よろしくお願い致します!
